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コメント

お寄せ頂いたコメント

生命科学者・JT 生命誌研究館館長・中村桂子

辰巳芳子さんがお母様から受け継いだ「食べものの用意はいのちへの祝福」という思いがこもった「いのちのスープ」。味わった方からそれぞれの思いを引き出す力があり、一口の後に見せる一人一人の表情が印象的です。野菜やだしなど、このスープを支えている方は皆自然の中で生きており、しなやかさの中に強さのある「生きる力」を感じさせます。私たちは土から力をいただいているのだと実感しました。自然の一部として生きることの大切さを再確認しなければならない今、「いのちのスープ」がまわりの人を次々と巻き込みつないでいく様子からこれからの生き方が見えてきます。おいしいものをつくり、いただくことこそ生きるということ。あまり難しく考えずにゆったり、幸せに生きていけそうです。生命誌で考えていることとあまりにも多くが重なっているので書きたいことが交錯してしまいまとまらず申し訳ありません。日常と学問は重なり合うもののはずなのに最近の生命科学は、グローバル、競争の言葉に振りまわされ、お金と権力にむらがる人に動かされていて、生きていることを見つめることを忘れています。この映画と同じ気持で学問が進むとよいと願っています。

モデル・はな

昨年の震災以降、自分で作れるものは自分で作ろう!そう心掛けてきた私にとって、とても刺激になる作品でした。まるで画家が筆で絵を描くように、木べらを動かす、辰巳さん。毎日のことだからこそ、丁寧に、丁寧に。お料理に限らず、生きている時間こそ、そう過ごすことが大切だと教えてくれました。
なかなか難しいことですが、辰巳さんのように、やさしく、丁寧に年を重ねていきたいですね。いつか辰巳さんのスープ、飲んでみたいです!

湯布院亀の湯別荘・湯布院映画祭・中谷健太郎

「天のしずく」芋の葉に落ちて、それが子供たちの手で「文字」になるという、とても美しいイントロに導かれて、鎌倉のお宅に移動する。その舞台からカメラは自由自在に時空を飛ぶ・・・老いてゆく人たちの生命が、育ってゆく子たちの力が、そして3.11 の不条理までが、きっちりと削り出されて大きな柱になってゆく。どこかに西岡常一棟梁の手に成る「伽藍」の気配が見えます。そこに何となく自由の風が吹いていて、それは辰巳さんの自在なお人柄から発するものと私には見えるのです。2時間を観終えて尚爽やかな記憶が残ります。

女優・田中律子

私たちは、食べなければ生きていけません。命をいただいて、私たちの命を繋いでいます。大地の恵み、海の恵み、雨、風…自然の恩恵をたくさん受けています。自然に感謝して、作ってくれた人に感謝して、まさに『食べることは愛すること』愛することは尊敬、そして感謝することだと思います。
愛情込めて手作りした料理の素晴らしさがたっぷりつまった映像は本当に美しく、食に対して、あらためて“愛”というスパイスを入れる大事さを教えてもらいました。

ことばの杜主宰・元アナウンサー・山根基世

つかの間の結婚生活の後、戦死した夫への思いを聞いたとたん、「食」を哲学する辰巳さんの言葉が、血の通った温もりある言葉として心に届いてきた。辰巳さんの長い人生経験や、深い思考からしたたり落ちる、「命のスープ」のように、心身を満たしてくれる「おいしい映画」だ。

洋画家、元女子美術大学学長・佐野ぬい

辰巳芳子先生の人格と、そのお仕事のすべてに、見終わっても美しく繊細で、しかも強靭な心から,あふれ出ているスープの香りが映画全体から伝わってまいりました。ドキュメンタリータッチでこの作品を創られた河邑厚徳監督の「芸術美」に深く感動いたしました。自然と人間の結びつき、人と人のつながり、一場面一場面の構図、色彩、線と光、この見事な表現にすがすがしい豊かな気持ちでいっぱいになりました。

日本語検定委員会審議委員・日本医師会広報委員・元朝日新聞編集委員・川村二郎

見ながら真っ先に浮かんだのは、国語学者・大野晋さんに伺った話です。明治になって NATURE という言葉が入って来た時、これにあたる日本語はなかったんだよ。日本人は草、木、花、山、森・・・個々には名前をつけていたけど、総称を持っていなかった。そこで平安時代から「自ずから」という意味で使っていた「自然」を当てたんだよ。日本人は自分も自然の一部という考え方をするんだね。辰巳さんがなさっていることは、つまりはそういうことではないでしょうか。あのドキュメントは、そういう日本古来の思想、哲学を美しい画面を通して静かに伝えているところが素晴らしいと思いました。

ザガットサーベイ日本版編集長・株式会社CHINTAI・高田明彦

この映画は人や自然の生業のすべてを包む”愛”に満ちている。上映中、3度涙があふれた。人が食することの意味、自然との関わり、人としての生き方、大人としての在り方、未来を生きる子ども達の将来、そして自分で今できること・・・監督・脚本の河邑氏の映像美、音、温度感といった表現力もまた、人間の五感を見事に刺激する。

ノンフィクション作家・中田整一

スープ一杯の中に、日本の命、人の命、伝統、文化、あらゆるものが凝縮されていることがよくわかる、いい映画であった。音楽は特に良かったですね。辰巳さんのふくよかな人柄がにじみ出ていたが、料理研究家としての彼女がどうして誕生したのか説明が必要ではないだろうか。

料理研究家・高山なおみ

先日、映画の試写会に行ってきました。とてもきれいな映画でした。元ハンセン病の宮﨑さんがスープをこしらえる場面では、どっと涙が溢れ出し、口を開けたまま、凝視してしまいました。料理の「ほんとう」が、表れていました。

NHK アナウンサー・後藤繁榮

まだ映画の余韻が頭の中を占領しています。辰巳先生が私たちに指し示してくれた未来への言葉の数々、それを河邑監督が見事に映像化してくださいましたね。私たちが忘れかけていた日本の美しい風景、それはすなわち食の風景なのですが、圧倒的な説得力で私たちに語りかけてくれた映画でした。